格闘技をやってると「で、結局どっちが強いの?」ってよく聞かれる。筋肉?根性?気合い?みたいな話になりがちなんだけど、青帯ごときの僕が言える数少ないことが一つだけあって、それが今日のテーマです。
本当に強い人は、戦う前に「めんどくさいこと」を確認してる
道場やトーナメントで本当に強い人を見てると、試合が始まる前、やたら冷静なんですよね。
- このルール、ポイントどう入るんだっけ
- アドバンテージは何で付く?
- 時間切れになったら誰が勝つ?
- サブミッションあり?なし?
「いいから早く組もうぜ」って言いたくなるようなことを、ちゃんと確認してる。そのうえで「じゃあテイクダウン取って上キープしとけば、最悪ポイントで負けない」みたいな条件を、サラッと出してくる。
勝ち方を一個じゃなく、二個も三個も持ってる。だから一個潰されても動じない。強さって、技の数より「逃げ道の数」なんじゃないかと最近思ってます。
弱い奴ほど戦略がない。そしてそれは、大体、過去の僕です
逆に弱い人は——ルールもうろ覚えのまま、気持ちだけで前に出る。作戦は「強く行く」の一個だけ。通用しなかった瞬間にフリーズする。ポイントで負けてることに最終盤まで気づかない。引き分けでいい場面で無理に取りに行って、一本取られる。
……これ、誰のことかというと、わりと過去の自分です。白帯のころ、後半スタミナ切れてから「気合い」だけで突っ込んで、毎回同じ三角で締められてた。気合いは三角絞めには勝てない。これは物理です。
戦略がないって、要するに選択肢が一個しかないということで、その一個を読まれたら終わる。強いから勝つんじゃなくて、負け筋を消してあるから負けない。締められながら学びました(遅い)。
これ、たぶん仕事も人生も同じ
偉そうに言うと、これマットの上だけの話じゃない気がしていて。事業でも交渉でも、
- ルール確認 = 前提・制約・何で評価されるのかを先に把握する
- 戦略 = 勝ち筋と「最低でもここは死守」のラインを両方引いておく
- ポイントで負けない = ベストが無理でも、負けない着地点を用意しておく
熱くなる前に、地味な設計を終わらせてる人が、結局強い。僕はどっちかというと熱くなって突っ込むタイプなので、これは完全に自分への申し送りとして書いています。
……と、ここまで偉そうに書いておいてアレですが
そもそも、勝ち負けでもないんですよね。
戦略がどうとか、ポイントがどうとか散々語っておいて結論がこれかよ、って自分でも思うんですけど。マットを降りて冷静になると、一番楽しんでた奴が、結局いちばん得してるんです。
締められても「うわ今の入り方えぐい、どうやったんですか」って笑ってる人。負けた試合のほうを嬉しそうに語ってる人。ああいう人が、いちばん長く続けて、いちばん上手くなって、いちばん良い顔してる。
勝ち負けは記録に残るけど、楽しさは自分に残る。三角で締められた回数は、たぶん僕の財産です(強がりではなく)。
まとめ(自分宛て)
戦う前にちゃんと考えるのは大事。勝ち筋を二本引いて、負けない条件を決めておく。それはそれで本当。
でも最後にひっくり返すと——
ルールを読んで、勝ち筋を引いて、負けない条件を決めて、そのうえで、いちばん楽しむ。 楽しんだもん勝ち。むしろそれ以外に勝ちはない。
……と、青帯がドヤ顔で書いてみました。明日の朝練でまた三角で締められて、ニヤニヤしながら全部忘れてる予定です。